樋口清氏スライド講演会 フランク・ロイド・ライトの空調より |
樋口清先生には2006年から5回にわたる可喜庵のシリーズでフランク・ロイド・ライトのお話をしていただきました。今回ご縁ときっかけから、またフランク・ロイド・ライトについて樋口清先生のお話を伺う機会を得ました。
と、申しますのは、弊社にインターンに来ていた学生Hさんが、「フラク・ロイド・ライトの空調」を研究テーマにしていると聞きつけ、可喜庵亭主・鈴木工務店代表はじめスタッフも、ここは是非樋口先生にお願いしたい!と口説きにかかったのでした。
講演会にあたり私は「樋口先生のお話を聞けば、きっと建築を志して本当に良かったと感じるに違いありません。」と請け負いました。今もまったく自信を持って同じことを言いたい気持ちです。
2010年に中央公論美術出版より出版された『テスタメント』その訳者のあとがきの後半に樋口清先生は
この本が出たとき、私はそれを読む力がなかった。50年して訳し終わり、先輩や先生方に読んで頂き、友人達と語れないのを残念に思う。
と書かれています。
しかし、大学で教えていらっしゃった頃、まだ海外で学ぶ機会意や写真がとても貴重だった時代に、建築の素晴らしさを学生たちに伝えたい一心でおさめられた一枚一枚からは今も気迫が伝わってきました。参加者の中には昔の教え子、さらには孫弟子にあたる方もおられ、「アアルトについてはフィンランド語で、ライトでは英語で講義をなさっていた」という伝説も飛び出しました。
岩波書店『思想』2011年第5号No.1045のp108~p117に
樋口清先生が『幾何学的抽象と有機的思考―ル・コルビュジエとフランク・ロイド・ライト―』と題して書かれた中で、今回のスライドで紹介された「ジョンソン邸(広げた翼)」も写真とともに触れられています。
(鈴木工務店 畑典子)