京都見学―1でお話しましたように、今回の目的は『
聴竹居』を拝見することでした。三川合流を見下ろす広大な緑の山に五回の実験住宅を建てたその最後の作が聴竹居だったわけですが、もしも藤井厚二氏が長命でいらっしゃったら、この山はどうなっていたのかなどと答えのない問いが浮かびます。又あれだけの土地等があれば、例えば威厳を持たせた門構えや庭園を造ることもできたと思うのですが、そういう見る人を小さくするようなものは一切なかったはずです。私が聴竹居から受けたのは、ディテールの美しさや画期的な空気のデザイン、電化ということよりもむしろ「家族想いな家」「気品のある温かさ」という印象でした。そして今回展示させていただいた写真家三沢博昭氏が切り取ったモノクロームの聴竹居に、整然さ清潔さと手触りの優しさが見えました。
デザインサーベイとしての昭和建築家
第Ⅰ回 『藤井厚二/聴竹居』はサロン・ギャラリーとも終了いたしました。
お越しくださった皆様から興味深いお話を伺うことができ、楽しい企画でした。本当にありがとうございました。
第Ⅱ回はドーモ・ディナミーカの『山越邦彦』です。どうぞお出かけください。
(鈴木工務店 畑典子)
■講演会
『山越邦彦/エコロジカルデザイン』
日 時:6月13日(土)16:00~
講 師:矢野和之先生(文化財保存計画協会代表)
参加費:2,000円(懇親会込・ご予約ください)
会場・主催:可喜庵(町田市能ヶ谷町740鈴木工務店内)
TEL.042-735-5771 FAX.042-735-3323
MAIL.kakian@suzuki-koumuten.co.jp