サロン・民話朗読会―森田珪子さんを囲んで |
率直に抱いた感想は「なんて冴え渡った女性だろう、きっと辛かったに違いない。」ということでした。
紬作家の中野みどりさんが言われるように「森田さんはとてもタフで、長い語りの後も、どんなにたくさんの人たちに囲まれても、決して疲れが出ない。」
朗読された民話は『喰わず嫁ご』『猿に嫁入りした話』『首なし地蔵』『母の目玉』でした。知ってる話も知らない話もありました。森田さんはクドくは話しません。ヒントのように言葉をちりばめていく感じです。受け取ったものを膨らます事を楽しませてくれる「余白」があるのかもしれません。「囲炉裏を囲んで、テレビやなんかのない所で3人くらいで話すのが一番いい」とおっしゃっていました。かたち21のブログ『モノ・語り』に「わざは技であり、芸であり、態であると―」と書かれていたのを読んだときには「分かるような気もするが、呑み込めない」と感じていましたが、生き方としての女わざ=「態」というものが、森田さんの存在感を通して一筋私の中へ沁みてきました。このことを何とか忘れずにいたいと心から願います。
お話の後は『女わざ』メンバーの「佐惣」のコーヒーと黄精飴をいただきながらのティータイムでした。いつにもまして会場中が饒舌になったような気がしました。老若男女、皆元気付けられたみたいです。
朗読会の翌日の今日、可喜庵で「ねじりこんぶくろ」を縫う森田さん。本当にタフだ。手と眼で5角形の底を作り出す。これも「女わざ」ですよね。
<長く使って愉しむ>No.5
『女の手仕事5人五様』は明日(午後4時)までです。
ぜひお出かけください。
(鈴木工務店 畑典子)